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HERPコミュニケーションガイドラインを制定しました

こんにちは、HERPのPdMの元木です!
この度ですが、HERP社内向けにコミュニケーションガイドラインを制定しました。そこで、どのような背景で、どのようなガイドラインが制定されたのか、このnoteでお伝えしたいと思います。

制定したコミュニケーションガイドラインの一部

コミュニケーションガイドライン制定の背景

現在、HERPは社員数63名(インターン含む)の組織になり、ここ1年で組織の人数は2倍弱となりました。
組織の人数が増えるにつれて、会社で決めることや行うことについて、1つのものごとをとっても多様な考え方・反応が出てくるようになりました。そしてそれが互いへの配慮を忘れてしまう場面があり、周囲に不安感を与えてしまう場面がありました。

何か問題が起こってしまった時に、わたしたちはたいていの場合、それをオンラインでのコミュニケーションで本来、平和的に解決していかなければなりません。

HERPはどちらかというと議論の活発な組織で、たとえ経営陣の発案だろうと盲目的に従われることなく議論の対象となります。

その点は非常に良い組織だと思っているのですが、例えどんなに気の許したメンバーが集っていたとしても、各々が全く他人への配慮なく自由な言動を行うと、議論ではなく口論になってしまったり不快な気持ちになってしまう人が現れてしまうことがあります。

こういったことは、個々人のモチベーションに影響し、組織の士気を下げてしまい、ひいてはミッションの達成や事業の成長に悪影響を及ぼしてしまうと考えています。それらを防ぐために、お互いに守っていきたい最低限の決まりごとを明示しようという取り組みでこのコミュニケーションガイドラインが制定されました。

前提とするHERPの考え方

HERPでは、メンバー全員がユーザーへの価値提供にまっすぐに向き合えることを大事にしており、ユーザーとの距離感の近さ、ビジネス・開発がフラットに議論できる、情報の透明性が高い、ストレートだが思いやりのあるコミュニケーションがとれるといったカルチャーがあります。

HERPの6つのValue

今後、組織が大きくなり様々な個性やバックグラウンドを持つメンバーが集まっても、多様性が尊重され、お互いに尊敬しあい、みんなが良い気持ちで所属できる組織にしていきたいと考えています。

具体的に取り決めたこと

大きくは2つのことを取り決めました。
実は、決める前に社内でコミュニケーションガイドラインに盛り込みたい内容について意見を募ったところ、多くの観点について多様な意見が寄せられました。しかし、多く細かいルールはかえって多様性を阻害してしまうと考えて、項目はなるべく少なくし、具体例への言及は避けて抽象的な表現としています。

メンバーを信頼し、信頼されるコミュニケーションを心がける

  • 相手の立場に配慮しながら自分の主張を適切に表現するコミュニケーションをとり、建設的な意見交換や意思疎通を図る。

  • 発言の対象が他者・自己・架空の人物・現象等であるに関わらず、あおり・侮辱的または軽蔑的なコメント・個人攻撃や政治攻撃をしない。

  • 発言者が上記を踏まえた発言をする前提で、相手の発言について悪意があるなど邪推しない。揚げ足取りをしない。

多様な価値観や個性があることを認識し、お互いに尊重する

  • 多様性を尊重していくなかで、業務だからといって各個人の価値観や個性を抑制せずに、お互いの価値観や個性を尊重し、お互いがなるべくありのままでいられるように努力する。

  • 飲酒の強制や過度なイジリ系のお笑いなど、特定の文化圏で暗黙に許容されるが一般に禁止・忌避される行為を、相手に押し付けることによって相手を不快な気分にしたり危害を加えたりしない。

  • 個々人のライフスタイル、人生におけるライフステージ・ライフイベントへの対応やそれに対する考え方を尊重する。

  • ポリティカル・コレクトネスに配慮した表現を心がける。

コミュニケーションガイドライン公開後の社内の反応

コミュニケーションガイドライン公開後、社内アンケートを実施しました。アンケート結果からは、制定されたこと自体やガイドラインの内容については、概ね好意的に受け入れられていることが分かりました。その一方で、内容については今後もアップデートを続けていく必要性があると感じています。
いくつか実際の声を取り上げます。

コミュニケーションガイドラインが制定されたことについて

- 今まで個人の判断に委ねられており、人によって解釈が分かれる・判断が難しい部分があった。ガイドラインによって明確になったことで「今のコミュニケーションは違うと思う」がストレートに伝えやすくなった。

- 収益には直接結びつかないため緊急度は上がりきらないが、影響度は高くボディブローのように効いてくるであろう重要度の高い当該テーマについて、社内でしっかりと思考しているということを改めて認識した。

- 自身の観測範囲ではガイドラインに反する言動をあまり見ていないし、困りもなかったので特に変化がなさそうに感じられた。

コミュニケーションガイドラインの内容について

- 制定の理由や背景が明確に説明されていた。また意見箱が設置されており、メンバーの意見を反映させて更新していく形式なのも良いと感じた。

- 一見すると当たり前のことが書かれているように思うが、その「当たり前」の定義に差異があることで、齟齬が生まれるので定義することは大切だと思う。

- まあそうだなという内容で納得感はあったが、もう一段抽象度を下げた表現ないしは具体例が明記されていると意識しやすそうに思えた。

まとめ

HERPのメンバーは60人を超えており、これから数百人という組織を目指そうという中で、そういった大人数が全員で同じ方向をむいて、誰も疎外感を感じること無くお互いを尊重しあっていくというのは簡単なことでは無いとコミュニケーションに関する議論が社内で起きるたびに感じています。

今回、多様な価値観を尊重するために、HERPのメンバーが最低限守るべき事柄を敢えて定め明文化する試みを推進してみました。もしかすると、このコミュニケーションルールを読んで「あたりまえ」と感じた方もいるかもしれません。しかし、「言わなくても分かる」「空気を読む」「普通は」「常識的に考えて」といった表現でなにかの規範や価値観を言語化することなく相手に理解してもらうとしてもうまくいかないと考えています。

なぜなら「多様な価値観」を前提にしているからです。相手は違った価値観をもっているかもしれないことを前提にコミュニケーションするべきと考えています。多様な価値観を前提としていても、すくなくとも我々は言語を理解することができるという共通点は持っているので、今回言語にて共通にすべき価値観・規範を定めたいと考え今回のガイドライン制定にいたりました。今後、社内で話題になるような事例があればガイドラインを追加・修正するなど必要に応じて見直しをかけていく予定です。

今後どのような組織の規模になっても、「多様性が尊重され、お互いを尊重し、みんなが良い気持ちで所属できる」そんな組織を目指していけたらと思います!

参考

コミュニケーションの課題については、HERP独自に発生するものではなく時代・場所を問わず人が集まるところで発生し、解決が目指されたものだと思っています。従って先人たちの検討も参考にしながら、理解を容易にするためなるべく社外でも言及されているような概念を使うようにしました。参考にした記事等を一部引用します。

GitLab Communication
各所で取り上げられていますが、GitLabはオンライン前提・ドキュメンテーション文化ということで諸々の言語化がすさまじいです。先駆者として非常に参考になります。特に effective--responsible-communication-guidelines の項目は参考になりました。

コントリビューター行動規範
オープンソースコミュニティは世界中の多様な価値観・バックグラウンドを持った人々によって運営されます。ある程度顔を見知った人のいる会社組織よりもコミュニケーションが困難な集団で課題解決をしていくために制定され守られている規範として、大変参考になります。

LAPRASコミュニケーションルール
目的と内容がシンプルでとても参考になりました。HERP社内の全文はこれに近いテイストになっています。

ティール組織(ホールネス)
ティール組織の三原則のうちの一つである「ホールネス」については多様性を尊重していく中で学ぶことの多い概念だと感じています。原著(邦訳)が700ページ超えの書籍なので該当箇所について解説したブログを紹介させていただきます。


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